特にリスクの高い血尿は?
監修
小林知広
日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
おしっこが赤いことを血尿と言います。
もっと正確に言えば肉眼的血尿と言います。
見た目のおしっこは赤くないけど、医療機関の検査でおしっこの中に血が混じっている(テープ検査にて陽性、顕微鏡でおしっこを見て赤血球がある)ことを尿潜血や顕微鏡的血尿と言います。
今回は肉眼的血尿の話です。
そしてやばい血尿に関しては50歳以上男性で喫煙者の症状のない肉眼的血尿です。

痛みや頻用などの症状が伴っている場合は、尿路感染症や尿管結石などの可能性が高いです。
さらに症状があれば多くの方は受診します。
症状のない血尿は受診しない場合も多く、病気が進行していくこともあり得ます。
膀胱癌など尿路上皮がんのことがありますので、血尿が出た場合は医療機関を受診してください。
特に膀胱癌などは血尿がおさまることもあります。しかし治ったわけではありませんので注意が必要です。
50歳以上の男性で、喫煙歴があり、痛みを伴わない肉眼的血尿(目で見てわかる赤い尿)が出た場合、非常に緊急性が高い状態と考えられます。
最も懸念されるのは膀胱がんなどの尿路系の悪性腫瘍です。
なぜ危険なのか?
- 「痛くない」が危険信号: 膀胱がんの初期症状として最も多いのが、痛みを伴わない肉眼的血尿です。「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くない血尿こそ危ない」と認識してください。
- リスク要因が重なっている: 「50歳以上」「男性」「喫煙者」という条件は、すべて膀胱がんのリスクを高める要因です。特に喫煙は最大の危険因子です。
- 一度きりでも放置厳禁: 血尿は一度だけで止まってしまうこともよくありますが、病気が治ったわけではありません。絶対に放置せず、受診が必要です。
考えられる主な病気
- 膀胱がん: 最も警戒すべき病気です。
- 腎盂(じんう)・尿管がん: 腎臓から膀胱までの尿の通り道にできるがんです。
- 腎臓がん: 腎臓そのものにできるがんです。
- 前立腺肥大症: 良性の病気ですが、進行すると血尿が出ることがあります。
- 尿路結石: 通常は強い痛みを伴いますが、痛みが少ない場合もあります。
直ちにとるべき行動
ためらわずに、すぐに泌尿器科を受診してください。
受診の際は、以下の点を医師に伝えてください。
- 血尿が出た日時と回数
- 血尿の色(鮮紅色、コーラ色など)
- 血の塊が混じっていたか
- 他に症状(頻尿、残尿感など)がないこと
- 喫煙歴(1日何本を何年間吸っているか)
早期発見・早期治療が非常に重要です。ご自身の体のサインを見逃さず、専門医の診察を受けてください。
痛みのない肉眼的血尿(50歳以上・喫煙歴あり)Q&A
Q1. 血尿が出ました。痛みがないのですが大丈夫ですか?
A. あまり大丈夫ではありません。
痛みのない肉眼的血尿は、膀胱がんを含む尿路の悪性腫瘍の初期症状として典型的です。
「痛くないから安心」ではなく「痛くない血尿こそ要注意」と考えてください。
Q2. どのくらい緊急性がありますか?
A. 緊急性は高いです。
放置せず、できるだけ早く泌尿器科を受診してください。
特に50歳以上の男性で喫煙歴がある場合は、尿路がんのリスクが上がります。
Q3. 一度だけ血尿が出て、その後止まりました。様子見でいいですか?
A. 様子見は推奨できません。
血尿は一度だけで止まることもありますが、病気が治ったとは限りません。
「止まったから終わり」ではなく「止まっても受診が必要」です。
Q4. なぜ「痛みがない血尿」が危険なのですか?
A. がんが原因の血尿は、痛みがないことが多いからです。
一方で、尿路結石や膀胱炎は痛みや違和感を伴うことが多いです。
だからこそ「痛みがない血尿」は危険信号として扱います。
Q5. どんな病気の可能性がありますか?
A. 以下の病気が考えられます。
- 膀胱がん(最も警戒が必要)
- 腎盂がん・尿管がん(腎臓から膀胱までの通り道のがん)
- 腎臓がん
- 前立腺肥大症(良性だが血尿の原因になることがあります)
- 尿路結石(通常は痛みが強いが、痛みが少ない場合もあります)
Q6. 喫煙歴があると、なぜ膀胱がんのリスクが高いのですか?
A. 喫煙は膀胱がんの最大の危険因子の一つだからです。
たばこの有害物質が尿に排泄され、膀胱の粘膜に長期間ダメージを与えることが関係します。
Q7. 血尿の色が薄い気がします。それでも受診が必要ですか?
A. 必要です。
血尿は「真っ赤」だけでなく「ピンク色」「赤茶色」「コーラ色」など様々です。
色の濃さで安心せず、肉眼で赤みが分かる尿は受診対象です。
Q8. 血の塊が混じっています。より危険ですか?
A. 受診を急ぐべきサインです。
血の塊が出る場合、尿路内で出血している可能性があり、検査が必要です。
また血の塊が尿の通り道を塞ぐと、尿が出にくくなることがあります。
Q9. 受診するときに、医師に何を伝えたらいいですか?
A. 受診時は以下を伝えると診断が早くなります。
- 血尿が出た日時(いつから)
- 回数(何回あったか)
- 尿の色(鮮紅色、赤茶色、コーラ色など)
- 血の塊が混じったか
- 他の症状(頻尿、残尿感、発熱、痛みなど)の有無
- 喫煙歴(1日何本×何年)
Q10. 受診したらどんな検査をしますか?
A. 一般的には、原因を特定するために以下を組み合わせます。
- 尿検査
- 血液検査
- 超音波検査
- CT検査
- 膀胱鏡検査(膀胱の中を直接確認)
血尿は原因が幅広いため、検査で確認することが重要です。
Q11. すぐ救急に行ったほうがいいケースはありますか?
A. 次の場合は早めに受診先を検討してください。
- 尿が出ない、出にくい(血の塊で詰まる可能性)
- 真っ赤な血尿が続く
- めまい、ふらつきがある
- 強い痛みや発熱を伴う
Q12. 血尿は放置するとどうなりますか?
A. がんが原因の場合、発見が遅れるほど治療が大きくなります。
早期発見なら治療の選択肢が広がる可能性があります。
血尿は体からの重要なサインなので、放置しないでください。