梅毒に関するQ&A(よくある質問)【医師監修】

小林知広

監修

小林知広

日本専門医機構認定 泌尿器科専門医

Q1.梅毒とはどのような病気ですか?

梅毒は、細菌によって起こる性感染症で、早期治療により完治が可能です。

梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌によって起こる感染症です。
性的な接触などにより、他人の粘膜や皮膚と直接接触することで感染します。

病名は、症状としてみられることがある赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。
梅毒では全身にさまざまな症状が現れることがあります。

検査や治療が遅れたり、治療を受けずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。

一方で、梅毒は早期に適切な抗菌薬治療を行えば完治が可能な病気です。
症状が改善しても、自己判断で治療を中断しないことが重要です。

また、治療により完治しても再感染する可能性があるため、予防を続ける必要があります。

なお、妊娠中に梅毒に感染すると、流産・死産や、先天梅毒の原因となることがあります。
感染した妊婦に適切な治療を行うことで、母子感染のリスクを下げることができます。


Q2.梅毒ではどのような症状が現れるのですか?

梅毒の症状は、感染からの経過(病期)によって変化します。

治療を行わなかった場合の典型的な経過は以下のとおりです。

Ⅰ期顕症梅毒(感染後数週間)

梅毒トレポネーマが侵入した部位(主に口の中、性器、肛門など)に、しこりや潰瘍ができることがあります。
また、鼠径部のリンパ節が腫れることもあります。

これらの症状は痛みを伴わないことが多く、治療をしなくても自然に軽快することがありますが、病気が進行している場合があります。


Ⅱ期顕症梅毒(感染後数か月)

感染から約3か月後、菌が血液を介して全身に広がります。
この時期には、手のひらや足の裏、体幹部などに「バラ疹」と呼ばれる淡い赤色の発疹が出ることがあります。

そのほか、肝臓や腎臓など全身の臓器にさまざまな症状が現れることもあります。

発疹などの症状は数週間以内に自然に消えることがありますが、梅毒が治ったわけではありません。
症状が一度消えたあと、再び現れることもあります。


晩期顕性梅毒(感染後数年)

感染後数年が経過すると、ゴム腫と呼ばれる腫瘤が皮膚や筋肉、骨などに出現し、周囲の組織を破壊することがあります。

また、大動脈瘤などを伴う心血管梅毒や、精神症状・認知機能低下・歩行障害などを伴う神経症状がみられることもあります。

現在では抗菌薬の普及により、晩期顕性梅毒は稀とされています。

なお、脳や脊髄に感染が及んだ場合は神経梅毒と呼ばれ、どの病期でも起こる可能性があります。


Q3.どのような経路で感染するのですか?

主に、梅毒の病変と粘膜や皮膚が直接接触することで感染します。

具体的には、
・性器と性器の接触
・性器と肛門(アナルセックス)
・性器と口の接触(オーラルセックス)

などが挙げられます。


Q4.梅毒ではどのような検査を行いますか?どこで受けられますか?

診察と血液検査により診断します。

一般的には、医師による診察と血液検査(抗体検査)によって、梅毒に感染しているかどうかを判断します。
ほとんどの医療機関で血液検査が可能です。

必要に応じて、病変部から検体を採取して顕微鏡で観察する検査や、PCR検査が行われることもあります。

地域によっては、保健所で匿名・無料の検査を受けられる場合もあります。
感染の可能性がある時期や、コンドーム使用の有無などを医師に伝えることが、正確な診断につながります。


Q5.どのような治療が行われますか?

梅毒の治療には、ペニシリン系抗菌薬が有効です。

国内ではこれまで内服治療が一般的でしたが、
2021年には、世界標準治療薬であるベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤が国内でも承認されました。

神経梅毒などの場合には、抗菌薬の点滴治療が行われます。

症状が改善しても、医師の許可があるまでは自己判断で治療を中断しないことが重要です。
また、医師が安全と判断するまでは、感染拡大につながる性交渉などは控えましょう。


Q6.どのようにすれば感染を予防できますか?

完全な予防法はなく、複数の対策を組み合わせることが重要です。

・性交渉の際はコンドームを適切に使用する
・皮膚や粘膜に異常がある場合は性的接触を控える
・不安があれば早めに検査を受ける

コンドームは感染リスクを下げますが、覆われない部位から感染する可能性もあるため、過信しないことが大切です。


Q7.一度梅毒になったら、もうかからないと考えてよいですか?

いいえ。梅毒は再感染する可能性があります。

梅毒が完治しても、免疫がつくわけではありません。
そのため、適切な予防策が取られていなければ、再び梅毒に感染する可能性があります。

ご予約・お問い合わせ

お気軽にお電話ください。ネット予約もご利用いただけます。