【医師解説】男性更年期障害(LOH症候群)とは?元気がない・やる気が出ない原因と治療法

監修

小林知広

日本専門医機構認定 泌尿器科専門医


40〜60代男性で「元気がない」「やる気が出ない」「性欲が低下した」と感じていませんか?男性更年期障害(LOH症候群)の症状・診断基準・治療を泌尿器科専門医が徹底解説します。ご相談は天拝坂こばやしクリニックへ

対象キーワード: 男性更年期障害、LOH症候群、テストステロン低下、元気がない 男性、やる気が出ない 40代、性欲低下 原因、太宰府市 泌尿器科、メンズヘルス


📌 この記事の要約(忙しい方へ)

男性更年期障害(LOH症候群)は血中テストステロンの低下により起こる医学的疾患です
うつ病と似た症状を示しますが、血液検査で客観的に評価できます
40〜60代で「元気がない」「やる気が出ない」「性欲が低下した」と感じたら専門医へ相談してください

この記事を読むべき人:

  • 40代以降で理由のない疲労感が続いている方
  • 仕事のパフォーマンスが低下していると感じる方
  • 性欲や勃起力の低下を実感している方
  • うつ病の治療を受けても改善しない方

読了時間: 約7分


👨‍⚕️ 監修医師プロフィール

小林 知広(こばやし ともひろ)
天拝坂こばやしクリニック 院長

保有資格

  • 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
  • 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医

経歴

  • 2009年 島根大学医学部 卒業/武田病院 初期研修
  • 2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科
  • 2015年 獨協医科大学越谷病院泌尿器科 助教
  • 2017年 京都ルネス病院 泌尿器科・透析科 医長
  • 2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長

受賞歴

2015年 第34回日本アンドロロジー学会学術大会 臨床部門学会賞 受賞
(論文題:非閉塞性無精子症患者980人におけるAZF遺伝子欠失の頻度とTESEでの精子採取率および精巣病理組織像の検討)


「なんかおかしい」と感じていませんか?

「最近、なんかおかしい」
「疲れが抜けない」
「やる気が出ない」
「仕事に集中できない」

40〜60代の男性から、このようなご相談を受けることは少なくありません。

多くの方は、年齢のせい、仕事のストレス、あるいは「うつ病かもしれない」と不安に思われます。しかし実際には、その背景に**男性更年期障害(LOH症候群)**が隠れていることがあります。

男性更年期障害は、医学的に定義されたホルモン疾患であり、血液検査で評価可能です。適切な診断と治療により、多くの方が改善しています。


目次

  1. 男性更年期障害(LOH症候群)とは
  2. 主な症状チェックリスト
  3. 診断基準とガイドライン
  4. うつ病との違い
  5. 検査方法と診断の流れ
  6. 治療法の選択肢
  7. 放置するリスク
  8. 院長の臨床実感
  9. よくある質問(FAQ)
  10. 受診の目安

男性更年期障害(LOH症候群)とは

定義

LOH症候群とは「Late-Onset Hypogonadism(加齢男性性腺機能低下症候群)」の略で、加齢に伴うテストステロン(男性ホルモン)の低下により生じる症候群です。

女性の更年期障害はよく知られていますが、男性にも同様にホルモンバランスの変化により心身の不調が現れることがあります。

なぜ起こるのか?

テストステロンは精巣(睾丸)で産生される男性ホルモンで、以下のような重要な役割を担っています:

  • 筋肉量と筋力の維持
  • 骨密度の維持
  • 性欲と勃起機能の維持
  • 意欲・集中力・認知機能の維持
  • 気分の安定

加齢とともにテストステロン産生能力が低下すると、これらの機能に影響が出ます。

発症年齢

一般的には40代以降に増加しますが、個人差が大きく、30代後半から症状が現れる方もいます。


主な症状チェックリスト

以下の症状に複数当てはまる場合、男性更年期障害の可能性があります。

身体的症状

  • ✓ 全身の疲労感、倦怠感
  • ✓ 筋力低下、筋肉量の減少
  • ✓ 体脂肪の増加(特に腹部)
  • ✓ ほてり、発汗
  • ✓ 睡眠障害(不眠、中途覚醒)
  • ✓ 骨密度の低下

精神的症状

  • ✓ 元気がない、活力の低下
  • ✓ やる気が出ない、意欲の低下
  • ✓ 集中力の低下
  • ✓ 不安感、イライラ
  • ✓ 抑うつ気分
  • ✓ 記憶力の低下

性機能症状

  • ✓ 性欲(リビドー)の低下
  • ✓ 勃起力の低下(ED)
  • ✓ 朝立ちの減少・消失

これらの症状が3か月以上続いている場合は、専門医への相談をお勧めします。


診断基準とガイドライン

日本メンズヘルス医学会のガイドライン

**「LOH症候群診療の手引き(2007年改訂版)」**では、以下の2つの条件を満たす場合にLOH症候群と診断されます:

  1. 症状の存在: AMSスコア(Aging Males’ Symptoms scale)などで評価
  2. 血中テストステロン値の低下: 遊離テストステロン値が基準値以下

国際的な診断基準

**欧州泌尿器科学会(EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health 2023)**でも、症状と低テストステロン値の両方を満たす場合に男性性腺機能低下症と診断するとしています。

重要なポイント

単に数値が低いだけでは診断されません。

「症状があること」と「ホルモン値が低いこと」の両方が必要です。これにより、過剰診断や不必要な治療を避けることができます。


うつ病との違い

男性更年期障害は、うつ病と症状が重なる部分が多いため、鑑別が重要です。

共通する症状

  • 意欲低下
  • 抑うつ気分
  • 集中力低下
  • 睡眠障害

LOH症候群に特徴的な点

  • 性欲・勃起力の低下が顕著
  • 血液検査でテストステロン低下を確認できる
  • 身体的症状(筋力低下、体脂肪増加)が目立つ

併存の可能性

実際には、LOH症候群とうつ病が併存していることもあります。そのため、当院では必要に応じて心療内科や精神科との連携も行っています。

「心療内科でうつ病の治療を受けても改善しなかった」という方が、実はテストステロン低下が原因だったというケースも少なくありません。


検査方法と診断の流れ

1. 問診と症状評価

まず、AMSスコアなどの質問票を用いて症状を客観的に評価します。

2. 血液検査

以下の項目を測定します:

  • 総テストステロン
  • 遊離テストステロン(最も重要)
  • LH(黄体形成ホルモン)
  • FSH(卵胞刺激ホルモン)
  • プロラクチン
  • その他(必要に応じて甲状腺機能、血糖値など)

測定のタイミング: テストステロンは日内変動があるため、**午前中(8〜11時)**の採血が推奨されます。

3. その他の検査

必要に応じて:

  • PSA(前立腺特異抗原): 前立腺疾患のスクリーニング
  • 骨密度測定
  • 心電図

4. 診断と治療方針の決定

検査結果と症状を総合的に判断し、治療方針を決定します。


治療法の選択肢

1. 生活習慣の改善

軽度の場合や、補充療法の補助として重要です。

運動

  • 筋力トレーニング: 週2〜3回の軽い負荷から開始
  • 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳など

食事

  • タンパク質の十分な摂取
  • 亜鉛を含む食品(牡蠣、赤身肉、ナッツ類)
  • ビタミンDの補給

睡眠

  • 質の良い睡眠(7〜8時間)
  • 就寝前のスマホ使用を控える

ストレス管理

  • 適度な休息
  • リラクゼーション

2. テストステロン補充療法(TRT)

症状が強く、テストステロン値が低い場合に検討します。

投与方法

  • 注射: 2〜4週間に1回の筋肉注射(最も一般的)
  • 外用薬: テストステロンゲル(毎日塗布)

効果

  • 性欲・勃起力の改善
  • 意欲・活力の向上
  • 筋力の増加
  • 気分の改善

定期的なモニタリング

治療開始後は、以下を定期的に確認します:

  • テストステロン値
  • 血液検査(赤血球数、肝機能など)
  • PSA値(前立腺の状態)

3. 対症療法

必要に応じて:

  • ED治療薬(PDE5阻害薬)
  • 睡眠薬
  • 抗うつ薬(併存するうつ症状がある場合)

テストステロン補充療法の注意点

以下の場合は治療ができない、または慎重な判断が必要です:

  • 前立腺がん
  • 未治療の前立腺肥大症
  • 多血症(赤血球増加症)
  • 重度の睡眠時無呼吸症候群
  • 心不全

そのため、専門医による慎重な管理が必須です。


放置するリスク

男性更年期障害を放置すると、以下のようなリスクがあります:

仕事面

  • パフォーマンスの低下
  • 集中力低下によるミスの増加
  • キャリアへの悪影響

家庭面

  • 家族関係の悪化
  • コミュニケーション不全
  • 性生活の問題

健康面

  • 抑うつ症状の悪化
  • 骨密度低下による骨折リスク
  • メタボリックシンドローム
  • 心血管疾患リスクの増加

生活の質(QOL)

  • 全般的な生活満足度の低下
  • 社会活動からの撤退

早期に適切な診断・治療を受けることで、これらのリスクを回避できます。


院長の臨床実感

実際の診療では、「うつ病かもしれない」と思って精神科を受診される前に来院される方、あるいは心療内科で改善しなかった方が相談に来られることがあります。

意外と多い、というのが率直な印象です。

「なんかおかしい」と感じる早い段階で受診された方のほうが、生活の立て直しがスムーズな傾向があります。

また、治療により:

  • 「仕事への意欲が戻った」
  • 「朝起きるのが楽になった」
  • 「家族との関係が改善した」

といった声をいただくことが多く、やりがいを感じています。

「年のせい」と諦める前に、一度検査を受けてみることをお勧めします。


よくある質問(FAQ)

Q1: うつ病との違いは何ですか?

A: 症状は似ていますが、LOH症候群は血液検査でテストステロン低下を確認できる点が異なります。また、LOH症候群では性機能症状(性欲・勃起力の低下)が顕著に出る方もいますが、うつ病でも性機能が低下する方もいます。テストステロンの数値を測定することがとても大切です。
ただし、両方が併存していることもあるため、必要に応じて精神科との併診を行います。

Q2: 何歳くらいから起こりますか?

A: 一般的には40代以降に増加しますが、個人差があります。30代後半から症状が出る方もいれば、60代でも元気な方もいます。

年齢よりも、「症状があるか」「テストステロン値が低いか」が重要です。

Q3: 治療は一生続けますか?

A: 症状や検査数値に応じて判断します。

  • 生活習慣改善で数値が戻る方もいます
  • 一定期間の補充療法後に中止できる方もいます
  • 長期的な継続が必要な方もいます

定期的な評価を行いながら、個別に判断します。

Q4: 保険適用になりますか?

A: 条件を満たせば保険適用となる場合があります。

  • 症状があること
  • 血液検査でテストステロン低下が確認されること

詳細は診察時に説明いたします。

Q5: 治療に副作用はありますか?

A: テストステロン補充療法には以下の副作用の可能性があります:

  • 多血症(赤血球増加)
  • にきび
  • 前立腺肥大症の悪化
  • 睡眠時無呼吸の悪化

そのため、定期的な血液検査とモニタリングが必須です。当院では専門医が慎重に管理します。

Q6: 生活習慣改善だけで治りますか?

A: 軽度の場合や、テストステロン低下が軽微な場合は、生活習慣改善だけで症状が改善することもあります。

特に:

  • 適度な運動(筋トレ、有酸素運動)
  • 十分な睡眠
  • バランスの良い食事
  • ストレス管理

これらは、補充療法を行う場合も並行して重要です。

Q7: どのくらいで効果が出ますか?

A: 個人差がありますが、一般的に:

  • 性欲: 3週間〜
  • 勃起機能: 6週間〜
  • 気分・意欲: 3〜6週間
  • 筋力: 12〜16週間
  • 骨密度: 6か月〜

すぐに効果が出るものと、時間がかかるものがあります。

Q8: 他の病院で「年のせい」と言われましたが…

A: 「年のせい」で片付けられることもありますが、医学的に評価・治療可能な疾患です。

セカンドオピニオンとしての受診も歓迎しています。血液検査で客観的に評価できますので、まずは検査を受けてみることをお勧めします。


受診の目安

次の3つのうち2つ以上に当てはまる方は、受診を検討してください。

✓ チェック1: 期間

元気がない、やる気が出ない状態が3か月以上続いている

✓ チェック2: 性機能

性欲や勃起力が明らかに低下している

✓ チェック3: 違和感

「年齢のせい」と片付けられない違和感がある


太宰府市で男性更年期障害の相談なら

天拝坂こばやしクリニックでは、泌尿器科専門医・テストステロン治療認定医がホルモン評価を行っています。

アクセス

  • 太宰府市から車で約10分
  • 筑紫野市から車で約5分
  • 大野城市から車で約15分
  • 春日市から車で約15分
  • 小郡市から車で約20分

駐車場完備で通院しやすい環境です。

診療の流れ

  1. Web予約(24時間受付)
  2. 問診票記入
  3. 医師による問診と診察
  4. 血液検査(必要に応じて)
  5. 結果説明と治療方針の決定(後日)

初診の方へ

  • 問診票は事前にWeb予約ページから入力可能です
  • 血液検査は基本的に初診当日に実施します
  • 結果説明は約1週間後になります

診療時間

詳細は公式サイトをご確認ください。


Web予約はこちら(24時間受付)

正規予約URL:
https://patient.digikar-smart.jp/institutions/a356aa2e-6198-4d7f-9416-0731c1996e97/reserve


まとめ

  • 男性更年期障害(LOH症候群)は医学的に評価・治療可能な疾患です
  • 「元気がない」「やる気が出ない」「性欲低下」が主な症状です
  • 血液検査で客観的に評価できます
  • 生活習慣改善やテストステロン補充療法など、治療の選択肢があります
  • 早期受診がQOL改善の鍵です

「年のせい」と諦めず、まずは専門医にご相談ください。


患者様へメッセージ

「恥ずかしい」「相談しにくい」と感じがちな泌尿器のお悩みや男性更年期障害について、専門医が医学的根拠に基づいて丁寧に診療します。

お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

天拝坂こばやしクリニック 院長 小林 知広


参考文献

  1. 日本メンズヘルス医学会. LOH症候群診療の手引き(2007年改訂)
    https://www.mens-health.jp
  2. European Association of Urology. EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health 2023
    https://uroweb.org/guidelines
  3. Bhasin S, et al. Testosterone Therapy in Men With Hypogonadism: Endocrine Society Clinical Practice Guideline (2018).
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29562364/
  4. 日本泌尿器科学会. 男性更年期障害診療の手引き

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