【泌尿器科医師解説】ED治療の新たな選択肢「ビガー2020」 ED治療薬の次の一手

小林知広

監修

小林知広

日本専門医機構認定 泌尿器科専門医

ED治療薬が効かない、または使えない方へ。日本で唯一承認された陰圧式勃起補助具「ビガー2020」の効果・安全性・エビデンスを泌尿器科専門医が詳しく解説します。


この記事の要約

  • ビガー2020は、日本で唯一「管理医療機器」として承認された陰圧式勃起補助具です。
  • ED治療薬が無効・禁忌の方でも、神経機能に依存せず勃起を補助できます。
  • 定期的な使用により、陰茎リハビリテーションとしての効果も期待されています。

この記事の監修
小林 知広(天拝坂こばやしクリニック 院長)
(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/2015年日本アンドロロジー学会賞受賞)


「薬が効かないED」は、決して珍しいことではありません

外来診療でEDのご相談を受けていると、
「薬を飲んでも変わらなかった」
「心臓の薬を飲んでいて使えないと言われた」
という声を少なからず耳にします。

ED治療というと、バイアグラやシアリスなどのPDE5阻害薬が広く知られています。
確かに有効な治療ですが、これらの薬は神経や血管の機能がある程度保たれていることが前提です。

前立腺がん手術後、重度の糖尿病、心血管疾患などが背景にある場合、
「効きにくい」「使えない」というケースは決して珍しくありません。

日本泌尿器科学会のED診療ガイドラインでも、
PDE5阻害薬が第一選択である一方、無効例・禁忌例が存在することが明記されています。


陰圧式勃起補助具「ビガー2020」とは

結論

ビガー2020は、医学的に評価されたED治療機器です。

ビガー2020は、PMDAの審査を経て、
管理医療機器(クラスII/承認番号:30300BZX00279000)として承認されています。

これは、

  • 安全性
  • 陰圧精度
  • 耐久性
  • 臨床的有用性

が確認されたことを意味します。

市販の未承認器具やアダルトグッズとは、医学的な位置づけが根本的に異なります


なぜ薬が効かなくても勃起が可能なのか

ED治療薬は、
「性的刺激 → 神経伝達 → 血管拡張」
という経路を利用します。

一方、ビガー2020は陰圧(真空)による物理的な血流誘導です。

  1. シリンダー内を陰圧にする
  2. 血液が海綿体へ流入
  3. 勃起が形成される
  4. リングで血液流出を抑え、勃起を維持

このため、
前立腺全摘術後や神経障害がある場合でも使用可能です。

この位置づけは、
American Urological Association
European Association of Urology
のガイドラインでも、薬物療法が使えない場合の代替治療として示されています。


「陰茎リハビリテーション」という考え方

EDが続くと、夜間勃起が減り、陰茎海綿体は低酸素状態になります。
これが続くと線維化が進み、さらに勃起しにくくなる悪循環に陥ります。

ビガー2020を定期的に使用することで、

  • 海綿体への酸素供給
  • 組織の柔軟性維持
  • 機能低下の進行抑制

が期待されます。

これは海外で
Penile Rehabilitation(陰茎リハビリテーション)
と呼ばれる治療概念です。

「陰茎リハビリテーション」という考え方

EDが続くと、夜間勃起が減り、陰茎海綿体は低酸素状態になります。
これが続くと線維化が進み、さらに勃起しにくくなる悪循環に陥ります。

ビガー2020を定期的に使用することで、

海綿体への酸素供給

組織の柔軟性維持

機能低下の進行抑制

が期待されます。

これは海外で
Penile Rehabilitation(陰茎リハビリテー

臨床研究で示された有効性

順天堂大学等による日本人ED患者を対象とした研究では、

  • 93.33%で勃起硬度(EHS)が改善
  • 62.50%が性交可能レベル(EHS≧3)に到達
  • IIEFスコアも統計学的に有意な改善(p<0.01)

が報告されています。

これは、侵襲的な手術治療を回避できる可能性を示す重要な結果です。


臨床研究で示された有効性

順天堂大学等による日本人ED患者を対象とした研究では、

93.33%で勃起硬度(EHS)が改善

62.50%が性交可能レベル(EHS≧3)に到達

IIEFスコアも統計学的に有意な改善(p<0.01)

安全性・副作用について

報告されている副作用は、
一時的な痛み、点状出血、冷感などが中心で、
重篤な有害事象は報告されていません

ただし、
使用時間や出血性疾患の有無については、
必ず医師の判断が必要です。


よくある質問(Q&A)

Q. 毎日使用しても大丈夫ですか?
A. リハビリ目的で定期使用する場合があります。医師の指導に従ってください。

Q. ED治療薬と併用できますか?
A. 症例により可能です。診察時に判断します。

Q. 見た目や感覚は不自然ですか?
A. 一時的な冷感はありますが、危険ではありません。


監修者プロフィール
天拝坂こばやしクリニック 院長
小林 知広(こばやし ともひろ)

【保有資格】
日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医

【経歴】
2009年 島根大学医学部 卒業 / 武田病院 初期研修
2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科
2015年 獨協医科大学越谷病院泌尿器科 助教
2017年 京都ルネス病院泌尿器科・透析科 医長
2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長

【受賞歴】
2015年 第34回アンドロロジー学会学術大会 臨床部門学会賞 受賞
(論文題:非閉塞性無精子症患者980人におけるAZF遺伝子欠失の頻度とTESEでの精子採取率および精巣病理組織像の検討)

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参考文献・医学的根拠(URL付き)

① 国内ガイドライン

② 海外主要ガイドライン

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