膀胱炎|排尿時の痛み・頻尿・残尿感がある方へ
この記事の要約
- 排尿時の痛み・頻尿・残尿感・尿の濁りは、膀胱炎でよくみられる症状です
- 発熱や背中・わき腹の痛みがある場合は腎盂腎炎などの可能性があり、早めの受診が必要です
- 症状を確認し、尿検査などを行ったうえで必要な治療を考えます
監修
小林知広
日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
最終確認
2026/9/30
排尿すると痛い・しみる、何度もトイレに行きたくなる、排尿してもすっきりしない。
こうした症状は、膀胱炎でよくみられる症状です。
膀胱炎は女性に多い病気ですが、男性にも起こります。また、膀胱炎だと思っていても、尿路結石や尿道炎、前立腺炎など別の病気が原因となっていることがあります。
天拝坂こばやしクリニックでは、症状を確認し、尿検査などを行ったうえで必要な治療を考えます。
発熱、背中・わき腹の痛み、吐き気、強いだるさがある場合は、腎盂腎炎などの可能性があります。早めに受診してください。
膀胱炎とは?
膀胱炎は、膀胱に炎症が起こる病気です。
一般的な急性膀胱炎では、尿道から細菌が入り、膀胱内で増殖することで発症します。尿路感染症の多くは、細菌が尿道側から上行して起こります。
代表的な症状は次のとおりです。
- 排尿すると痛い・しみる
- トイレが近い
- 急に尿意を感じる
- 排尿後も尿が残っている感じがする
- 尿が濁る
- 下腹部に違和感がある
- 血尿が出る
症状の現れ方には個人差があります。
こんな症状はありませんか?
排尿時の痛み
排尿するとき、特に排尿の終わりごろに「ツーンとする」「しみる」「痛い」と感じることがあります。
頻尿
普段より何度もトイレに行きたくなります。排尿したばかりなのに、すぐ尿意を感じることもあります。
残尿感
排尿したあとも、まだ尿が残っているように感じることがあります。
尿の濁り・血尿
炎症によって尿が濁ったり、血液が混じって赤く見えたりすることがあります。
ただし、血尿は膀胱炎だけで起こる症状ではありません。
尿路結石や尿路の腫瘍などでも血尿がみられるため、血尿が続く場合や、治療後も血尿が残る場合には別の原因がないか確認することが大切です。
院長とてんこばくんのやさしい解説
発熱・背中の痛みがあるときは要注意
膀胱炎の症状に加えて、次のような症状がある場合は、感染が腎臓まで及ぶ急性腎盂腎炎などの可能性があります。
- 発熱
- 悪寒・寒気
- 背中やわき腹の痛み
- 吐き気・嘔吐
- 強いだるさ
「いつもの膀胱炎だろう」と長く様子をみず、早めに受診してください。
高熱が続く、強い悪寒がある、水分がとれないほど吐く、ぐったりしている、意識がぼんやりする、尿がほとんど出ないなど全身状態が悪い場合には、当院の診療時間を待たず、救急医療機関での診察が必要になることがあります。
膀胱炎と似た症状を起こす病気
排尿時痛や頻尿があっても、必ずしも膀胱炎とは限りません。
尿路結石
結石が尿の通り道を刺激すると、血尿や排尿症状が出ることがあります。
特に、突然の強いわき腹・背中の痛みを伴う場合は尿路結石も考えます。
尿道炎・性感染症
クラミジアや淋菌などによる尿道炎でも、排尿時の痛みが起こります。
尿道からの分泌物、陰部の違和感、性交渉後の症状などがある場合には、性感染症を含めて検査を検討します。
前立腺炎
男性では、前立腺炎によって排尿時痛、頻尿、会陰部の違和感、発熱などが起こることがあります。
そのため男性の尿路感染症では、膀胱だけでなく前立腺なども含めて症状を確認します。
当院での膀胱炎の検査
1.症状を確認します
いつから症状があるのか、排尿時の痛み、頻尿、血尿、発熱、背部痛などについて確認します。
過去の膀胱炎、使用した抗菌薬、妊娠の可能性、基礎疾患なども診断や治療に重要です。
2.尿検査
膀胱炎が疑われる場合、尿検査を行います。
尿中の白血球や血液などを確認し、尿路に炎症が起きていないかを評価します。
3.必要に応じて追加検査
患者さんの症状や経過に応じて、次の検査などを追加することがあります。
- 尿培養検査
- 血液検査
- 超音波検査
尿培養検査では、原因となっている細菌と抗菌薬への感受性を調べます。
超音波検査では、残尿、水腎症、結石や明らかな尿路の異常などがないかを確認します。
膀胱炎の治療
細菌による膀胱炎では、症状や尿検査の結果などをもとに、必要に応じて抗菌薬で治療します。
使用する抗菌薬は一律ではありません。
年齢、妊娠の有無、腎機能、アレルギー、過去に使用した抗菌薬、過去の尿培養結果などを考慮して選択します。
抗菌薬を必要以上に使用すると、抗菌薬が効きにくい薬剤耐性菌が増える原因になるため、必要な場合に適切に使用することが重要です。厚生労働省も抗微生物薬の適正使用を推進しています。
以前処方された抗菌薬の残りを自己判断で飲むことは避けてください。
膀胱炎を繰り返す場合
「また膀胱炎になった」と何度も繰り返す場合には、その都度治療するだけでなく、背景に原因がないか確認することが大切です。
必要に応じて、次の点などを確認します。
- 排尿後に尿が多く残っていないか
- 尿路結石などがないか
- 性交渉との関連
- 閉経後の体の変化
- 糖尿病などの基礎疾患
- 過去の尿培養結果
また、抗菌薬を飲んでも毎回改善しない場合には、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群など、細菌感染以外の病気も含めて考える必要があります。
男性でも膀胱炎になりますか?
男性でも膀胱炎や尿路感染症は起こります。
ただし男性の場合は、前立腺炎、尿道炎、尿路結石、排尿障害などが関係していることもあります。
「男性だから膀胱炎ではない」「以前と同じ症状だから膀胱炎だろう」と自己判断せず、尿検査などで確認することが大切です。
膀胱炎は何科を受診する?
膀胱炎や尿路感染症は、泌尿器科で日常的に診療する病気です。
女性の患者さんも泌尿器科を受診して問題ありません。
次のような症状がある場合はご相談ください。
- 排尿すると痛い
- トイレが近い
- 残尿感がある
- 血尿が出た
- 膀胱炎を何度も繰り返す
よくある質問
Q. 膀胱炎は自然に治りますか?
Q. 血尿が出ても膀胱炎でしょうか?
Q. 膀胱炎は性病ですか?
Q. 男性でも膀胱炎になりますか?
Q. 発熱があります。膀胱炎として受診してよいですか?
膀胱炎ファストパス
天拝坂こばやしクリニックでは、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、尿の濁りなど、膀胱炎が疑われる症状のある方をスムーズにご案内する「膀胱炎ファストパス」を運用しています。
専用窓口ではありません。受付時に「膀胱炎の症状があります」とお伝えください。
発熱や背中の痛みがある場合もファストパス対象ですが、急性腎盂腎炎などの可能性があるため、受付時に症状を必ずお伝えください。
排尿時の痛み・頻尿・残尿感でお困りの方へ
膀胱炎は泌尿器科でよく診療する病気ですが、似た症状を起こす病気もあります。
「膀胱炎かな?」と思ったら、症状を我慢しすぎずご相談ください。
発熱や背中・わき腹の痛みがある場合は、腎盂腎炎などの可能性もあるため早めの受診が必要です。