前立腺がんの検査は怖いものではありません|直腸診は必須ではありません

監修

小林知広

日本専門医機構認定 泌尿器科専門医


「直腸診が嫌で受診をためらっている」方へ。前立腺がんはPSA血液検査で調べられます。直腸診は必須ではありません。泌尿器科専門医が検査の流れを解説。太宰府市の天拝坂こばやしクリニック。

■ カテゴリ:泌尿器科 / 前立腺
■ タグ:前立腺がん, PSA検査, 直腸診, 泌尿器科, 太宰府市

【監修者】天拝坂こばやしクリニック 院長 小林 知広(こばやし ともひろ)
日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医

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■ この記事の要約(忙しい方へ)
・前立腺がんのスクリーニング検査はPSA(血液検査)で行います
・直腸診(肛門から指を入れる検査)は必須ではありません
・PSAは採血だけで調べられるため、受診のハードルはとても低い検査です

■ この記事は次のような方に役立ちます
・「直腸診が怖くて泌尿器科に行けない」と思っていた方
・50歳以上で前立腺がん検診を受けたことがない方
・健診でPSAの意味を知りたい方
・太宰府市・筑紫野市周辺で前立腺がん検診を検討中の方

【読了時間】約5分

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はじめに

「泌尿器科に行ったら、お尻から指を入れられる検査があると聞いて……」

そう言って、受診をためらっている方が少なくありません。

結論から言います。前立腺がんのスクリーニング検査に、直腸診は必須ではありません。

PSA(前立腺特異抗原)という血液検査だけで、前立腺がんの疑いを調べることができます。採血のみです。

この記事では、前立腺がんの検査について、泌尿器科専門医の視点から正直に解説します。

目次

  1. 前立腺がんとは
  2. PSA検査とは|採血だけで調べられる
  3. 直腸診は必須ではない
  4. PSAの基準値と年齢別目安
  5. PSAが高かったら次にどうなる?
  6. 検診を受けた方がいい方
  7. 院長の臨床実感
  8. よくある質問(FAQ)
  9. 受診の目安・診療の流れ

1. 前立腺がんとは

【結論】前立腺がんは日本人男性に最も多いがんのひとつで、50歳以上になると発症リスクが上がります。早期であれば治療成績が非常に良好なため、定期的なPSA検査による早期発見が重要です。

前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱の下・直腸の前方に位置しています。前立腺がんは進行が比較的緩やかで、早期に発見できれば根治が期待できます。日本では食生活の欧米化に伴い、前立腺がんの罹患数は増加を続けており、男性のがん罹患数では第1位となっています(2025年時点)。

2. PSA検査とは|採血だけで調べられる

【結論】PSAとは「前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)」という、前立腺から分泌されるたんぱく質のことです。前立腺がんがあると血液中のPSA値が上昇する傾向があり、採血だけで検査できます。

PSA検査は痛みも不快感もなく、通常の採血と同じ方法で行います。「泌尿器科の検査は怖い」というイメージをお持ちの方でも、PSA検査そのものは非常に受けやすい検査です。

💡 PSAが上昇する原因は前立腺がんだけではありません。前立腺肥大症・前立腺炎・射精後・自転車乗車後なども値に影響します。PSAはあくまでスクリーニング(ふるい分け)検査です。

3. 直腸診は必須ではない

【結論】前立腺がんのスクリーニングにおいて、直腸診は必須ではありません。PSA検査を主体としたスクリーニングが現在の標準的なアプローチです。

直腸診(DRE:Digital Rectal Examination)とは、肛門から指を挿入して前立腺の大きさ・硬さ・表面の性状を触診する検査です。PSA検査が普及する以前は主要な検査でしたが、現在はPSAが主体となっています。

当院では、初診時にPSA検査(採血)のみで前立腺がんのスクリーニングを行います。直腸診を希望しない方は、その旨をお伝えください。

⚠️ ただし、PSAが著しく高い場合や、排尿症状が強い場合など、医師の判断で直腸診が必要になるケースもあります。これは患者さまの状態に応じて診察時にご説明します。

4. PSAの基準値と年齢別目安

【結論】PSAの一般的な基準値は4.0ng/mL未満とされていますが、年齢によって異なる「年齢別基準値」も参考にされます。

年齢年齢別PSA基準値(参考)
50〜64歳3.0ng/mL未満
65〜69歳3.5ng/mL未満
70歳以上4.0ng/mL未満

※上記は参考値です。実際の判断は総合的に行います。

PSA値が高くても、前立腺がんでないケースも多くあります。逆に、PSAが正常範囲内でも前立腺がんが見つかることがあります(PSAは万能な検査ではありません)。

5. PSAが高かったら次にどうなる?

PSA値が基準値を超えた場合、次のステップとして以下を検討します。

  1. PSA再検査(前立腺炎や射精の影響を除外)
  2. MRI検査(前立腺の形態・異常部位の確認)
  3. 前立腺生検(確定診断のための組織検査)

PSAが高いからといって、すぐにがんと確定するわけではありません。精密検査を経て総合的に判断します。

当院でのPSAが高値の場合は、適切な専門医療機関へのご紹介を含めて対応します。

6. 検診を受けた方がいい方

次の方は定期的なPSA検査をおすすめします。

  • 50歳以上の男性
  • 父・兄弟に前立腺がんの方がいる(家族歴あり)
  • 頻尿・残尿感・尿の勢いが弱いなどの排尿症状がある
  • 健診でPSA検査を受けたことがない

⚠️ 家族歴のある方は40歳代から検診を始めることを推奨する専門家もいます。ご心配な場合はお気軽にご相談ください。

頻尿・残尿感などの排尿症状については、こちらの記事もご参照ください

7. 院長の臨床実感

当院長は泌尿器科専門医として15年以上、前立腺疾患の診療にあたってきました(院長の経歴はこちら)。

「直腸診があると思って来なかった」という患者さまが、実際に非常に多いです。受診後に「採血だけで良かったんですね」と驚かれる方が後を絶ちません。

前立腺がんは早期発見できれば治癒率が高いがんです。PSA検査は簡単な採血で受けられます。「怖い検査があるから」という理由だけで受診を先延ばしにしてほしくない、というのが正直な気持ちです。

また、前立腺がんは慢性前立腺炎や前立腺肥大症との鑑別が必要なケースもあります。慢性前立腺炎についてはこちらの記事も参考にしてください。

※これは一例です。すべての方に同様の経過が得られるわけではありません。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 直腸診は絶対に受けなければいけませんか?

A. 前立腺がんのスクリーニングにおいて、直腸診は必須ではありません。PSA(血液検査)のみでのスクリーニングが現在の標準的なアプローチです。ただし、PSAが著しく高い場合など医師の判断で必要になることがあります。まずはお気軽に受診していただき、ご希望や不安をお伝えください。

Q2. PSA検査は保険が使えますか?

A. 前立腺に関連する症状(頻尿・残尿感など)がある場合は保険診療でPSA検査が可能です。症状がない健診目的の場合は自費検査となります。詳細は受診時にご説明します。

Q3. 前立腺肥大症と前立腺がんは違うのですか?

A. 別の疾患です。前立腺肥大症は良性の病気で、排尿困難や頻尿の原因となりますが、がんとは異なります。ただし、前立腺肥大症があるとPSA値が上昇することがあります。症状がある場合は両方の可能性を念頭に診察します。

Q4. PSA検査はどのくらいの頻度で受ければいいですか?

A. 一般的に年1回が推奨されています。PSA値が低い場合は2年に1回でよいとする考え方もあります。ご年齢や家族歴などを踏まえて、受診時に相談しながら決めましょう。

Q5. 「射精後に排尿するとがんになる」というのは本当ですか?

A. 医学的根拠のない情報です。詳しくは「射精後に排尿すると癌になる」は嘘?SNSのデマと医学的真実をご覧ください。

9. まとめ・受診の目安

前立腺がんの検査は採血(PSA)だけで始められます。直腸診は必須ではありません。

次のような方は当院での受診をご検討ください:

  • 50歳以上でPSA検査を受けたことがない方
  • 「直腸診が嫌で泌尿器科に行けなかった」方
  • 頻尿・残尿感などの排尿症状が続いている方
  • 家族に前立腺がんの方がいる方

太宰府市・筑紫野市で前立腺がん検診なら

天拝坂こばやしクリニックでは泌尿器科専門医がPSA検査を行っています。「採血だけで大丈夫ですか?」という確認だけでも構いません。お気軽にご相談ください。泌尿器科診療の詳細はこちら

【アクセス】

詳しくは医院紹介・アクセスページをご覧ください。

  • 太宰府市から:徒歩・お車でアクセス可能
  • 筑紫野市・大野城市・春日市・小郡市から:お車でご来院いただけます
  • 駐車場:完備

【お問い合わせ・ご予約】

電話:092-918-8338
Web予約はこちら(24時間受付)

そのほかの排尿症状・泌尿器科のお悩みは院長コラム一覧もあわせてどうぞ。

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監修者(完全版)

天拝坂こばやしクリニック 院長
小林 知広(こばやし ともひろ)

【保有資格】

  • 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
  • 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医

【経歴】

  • 2009年 島根大学医学部 卒業 / 武田病院 初期研修
  • 2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科
  • 2015年 獨協医科大学越谷病院 泌尿器科 助教
  • 2017年 京都ルネス病院 泌尿器科・透析科 医長
  • 2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長

【患者様へメッセージ】

「恥ずかしい」「相談しにくい」と感じがちな泌尿器のお悩みについて、専門医が医学的根拠に基づいて丁寧に診療します。お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

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参考文献

  1. 日本泌尿器科学会編. 前立腺がん検診ガイドライン 2025年版.
    医学図書出版, 2025年9月22日発刊.
  2. 日本泌尿器科学会・日本放射線腫瘍学会・日本医学放射線学会編.
    前立腺癌診療ガイドライン 2023年版.
    メジカルレビュー社, 2023年10月20日.
    https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00830/
  3. European Association of Urology.
    EAU Guidelines on Prostate Cancer 2024.
    https://uroweb.org/guidelines/prostate-cancer

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【最終更新】2026年6月
【次回更新予定】2027年6月

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