【医師解説】膀胱炎は水を飲めば治る?自然治癒に頼る危険性を知ってください

小林知広

監修

小林知広

日本専門医機構認定 泌尿器科専門医

膀胱炎は水分をとれば自然に治ると思っていませんか。自己判断で放置すると腎盂腎炎など重症化のリスクがあります。泌尿器科専門医が正しい治療と受診の目安を解説します。

【この記事の要約(忙しい方へ)】
・膀胱炎は水分摂取だけで治る病気ではありません
・自然治癒を期待して放置すると腎盂腎炎へ進行することがあります
・ガイドラインでは抗菌薬治療が基本とされていますね

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【監修者(簡易版)】
天拝坂こばやしクリニック 院長
小林 知広(日本専門医機構認定 泌尿器科専門医)

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「水をたくさん飲めば膀胱炎は治ると聞いた」
「市販薬で様子を見ていればそのうち良くなると思った」

診察室で非常によく聞く言葉です。
結論から言うと、膀胱炎は水分摂取や自然経過だけで治る病気ではありません。

水分をとること自体は、膀胱炎の予防としては重要です。しかし、すでに発症している膀胱炎に対しては、十分な治療とは言えません。

膀胱炎は、尿道から侵入した細菌が膀胱内で増殖し、膀胱粘膜に炎症を起こす感染症です。一度膀胱内に定着した細菌は、水分を増やすだけでは完全に排除できず、症状が一時的に軽くなっても菌が残存していることがあります。

日本泌尿器科学会の「尿路感染症診療ガイドライン(2015年)」では、急性単純性膀胱炎は抗菌薬による治療が基本とされており、自然治癒に任せる管理は推奨されていません。

私の臨床経験でも、「水を飲んで我慢していた」「市販薬で一旦良くなったが再発した」という患者さんは非常に多く見られます。こうしたケースでは、治療開始が遅れた分、症状が長引いたり、再発を繰り返したりする傾向があります。

特に注意が必要なのが、腎盂腎炎への進行です。
膀胱内の細菌が尿管を通って腎臓まで達すると、38度以上の高熱、悪寒、腰や背中の強い痛み、吐き気を伴うことがあります。この状態になると、内服治療では不十分となり、点滴や入院治療が必要になることもあります。

泌尿器科では尿検査を行い、尿中の白血球や細菌の有無を確認します。その結果をもとに、ガイドラインに沿って抗菌薬を選択し、原因菌を確実に除去する治療を行います。適切な治療を行えば、多くの場合は数日で症状の改善が期待できます。

【よくある質問】
Q1.症状が軽い場合でも抗菌薬は必要ですか?
A.軽症に見えても感染が成立している場合は抗菌薬治療が基本です。自己判断で治療を遅らせることはおすすめできません。

Q2.市販薬や漢方薬では治りませんか?
A.市販薬や漢方薬は症状緩和に役立つことはありますが、原因菌を除去する治療ではありません。根本治療には抗菌薬が必要です。

Q3.自然に治ったように感じることがあるのはなぜですか?
A.一時的に炎症が落ち着いて症状が軽減することがありますが、菌が残っていると再発の原因になります。

【まとめ・行動判断の目安】
膀胱炎は「様子を見る」病気ではありません。排尿時の痛みや頻尿がある場合は、早めに泌尿器科を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

【Web予約(24時間受付)】
https://patient.digikar-smart.jp/institutions/a356aa2e-6198-4d7f-9416-0731c1996e97/reserve

【監修者(完全版)】
天拝坂こばやしクリニック 院長
小林 知広(こばやし ともひろ)

【保有資格】

  • 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
  • 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医

【経歴】

  • 2009年 島根大学医学部 卒業/武田病院 初期研修
  • 2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科
  • 2015年 獨協医科大学越谷病院泌尿器科 助教
  • 2017年 京都ルネス病院 泌尿器科・透析科 医長
  • 2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長

【受賞歴】

  • 2015年 第34回アンドロロジー学会学術大会
    臨床部門学会賞 受賞
    (論文題:非閉塞性無精子症患者980人におけるAZF遺伝子欠失の頻度とTESEでの精子採取率および精巣病理組織像の検討)

【患者様へメッセージ】
「恥ずかしい」「相談しにくい」と感じがちな泌尿器のお悩みやEDについて、
専門医が医学的根拠に基づいて丁寧に診療します。
お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

【参考文献】
・日本泌尿器科学会 尿路感染症診療ガイドライン(2015年)
https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/25_urinarytractinfection.pdf
・European Association of Urology Guidelines on Urological Infections 2023
https://uroweb.org/guidelines/urological-infections
・Hooton TM. Uncomplicated urinary tract infection. N Engl J Med. 2012.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22716974/

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