膀胱炎の検査って何をするの?

小林知広

監修

小林知広

日本専門医機構認定 泌尿器科専門医

この記事の要約

「おしっこがしみる」「トイレが近い」「出し終わってもすっきりしない」。こうした症状で受診すると、膀胱炎を疑って検査が行われます。

検査の目的は、膀胱炎かどうかを確認することだけではありません。似た症状を起こす別の病気がないか、炎症が腎臓まで広がっていないかを見極めることも大切です。

ここでは、膀胱炎が疑われるときに行われる代表的な検査を解説します。

「おしっこがしみる」「トイレが近い」「出し終わってもすっきりしない」。こうした症状で受診すると、膀胱炎を疑って検査が行われます。

検査の目的は、膀胱炎かどうかを確認することだけではありません。似た症状を起こす別の病気がないか、炎症が腎臓まで広がっていないかを見極めることも大切です。

ここでは、膀胱炎が疑われるときに行われる代表的な検査を解説します。

検査の全体像

膀胱炎の診療でよく行われる検査は、次の3つです。

  • 尿検査:炎症や細菌の有無を確認する、いちばん基本の検査

  • 腹部エコー検査:膀胱の腫れ具合を評価し、膀胱がんや尿管結石を除外する

  • 採血:発熱・倦怠感・背部痛などがあるときに、急性腎盂腎炎などの重い感染症になっていないか確認する

症状が軽い場合は尿検査だけで治療を始めることもありますが、初診時や症状の現れ方によっては、エコーをあわせて行うことがよくあります。

尿検査

膀胱炎の診断で中心になるのが尿検査です。

尿の中に、炎症を示す白血球や細菌、血液が混じっていないかを調べます。試験紙を使う尿定性検査と、顕微鏡で細胞や細菌を見る尿沈渣検査を組み合わせるのが一般的です。再発を繰り返す場合、男性、妊娠中、なかなか良くならない場合などでは、原因菌の種類と抗菌薬の効き方を調べる尿培養を追加することもあります。

検査用の尿は、最初の少量を捨ててから途中の尿をとる「中間尿」で提出します。外陰部の細菌が混ざると、結果がわかりにくくなるためです。可能なら、抗菌薬を飲み始める前の尿のほうが、検査としてより参考になります。

尿検査は当日のうちに結果がわかるため、多くの場合はここから治療方針を立てられます。

腹部エコー検査

腹部エコー(超音波検査)では、お腹の上から超音波を当てて、腎臓・尿管・膀胱の様子を画像で確認します。ゼリーを塗って観察する検査で、痛みはなく、放射線も使いません。

膀胱炎が疑われるときにエコーを行う主な理由は次のとおりです。

  • 膀胱の腫れ具合をみる(膀胱壁の厚さや膀胱の状態、残尿の有無)

  • 膀胱がんがないかを確認する

  • 尿管結石など、石が尿の流れを妨げていないかを除外する

排尿時痛・頻尿・残尿感といった症状は、膀胱炎だけでなく、尿管結石や膀胱がんでも起こることがあります。エコーで大きな結石や腫瘍がないことを確認したうえで、膀胱炎として治療を進める、という流れがよくとられます。あわせて、腎臓が腫れていないか(水腎症)も評価できます。

ただし、エコーは細かい病変や平坦な腫瘍を確実に否定できる検査ではありません。血尿が続く場合などでは、必要に応じてCTや膀胱鏡などの追加検査を検討します。

発熱や倦怠感、背部痛があるときは採血

典型的な膀胱炎では、熱は出ないことがほとんどです。症状が膀胱に限られていれば、採血をしないことも多いです。

一方で、次のような症状があるときは、炎症が腎臓まで広がった急性腎盂腎炎など、より重い感染症になっていないかを確認するために採血を行います。

  • 発熱

  • 倦怠感(だるさ)

  • 背部痛(わき腹や腰のあたりの痛み)

  • 悪寒、吐き気

採血では、白血球数やCRPなどの炎症反応、腎機能を確認します。腎盂腎炎が疑われる場合は、入院や点滴治療が必要になることもあるため、早めの受診が大切です。

膀胱炎と腎盂腎炎の違い

検査の組み合わせは、症状の広がりによって変わります。

膀胱炎

急性腎盂腎炎

主な場所

膀胱

腎臓

発熱

通常なし

あり(38℃以上が多い)

背中・わき腹の痛み

通常なし

あり

主な検査

尿検査(必要に応じてエコー)

尿検査+採血(必要に応じてエコー)

重症度

外来治療が多い

入院が必要になることもある

熱や強いだるさ、背中の痛みがあるときは、「いつもの膀胱炎」と思わず受診してください。

こんなときは早めに受診を

  • 排尿時痛、頻尿、残尿感が続く

  • 血尿が出た

  • 熱がある、背中が痛い、ぐったりしている

  • 症状を繰り返している

  • 妊娠中、糖尿病がある、男性で初めて症状が出た

特に発熱や背部痛を伴う場合は、様子を見すぎず受診してください。

まとめ

膀胱炎が疑われるときの検査は、次の3つが中心です。

  1. 尿検査で炎症や細菌の有無を確認する

  2. 腹部エコーで膀胱の腫れを評価し、膀胱がんや尿管結石を除外する

  3. 発熱・倦怠感・背部痛があれば採血し、急性腎盂腎炎などの重い感染症をチェックする

検査は「膀胱炎です」と決めるためだけでなく、「別の病気や重症化を見逃さないため」にも行われます。気になる症状があるときは、自己判断で様子を見すぎず、医療機関に相談しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。

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