【医師解説】なぜ膀胱炎を繰り返す?繰り返す膀胱炎の原因と防ぐための対策
監修
小林知広
日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
膀胱炎を繰り返す原因は、排尿を我慢する習慣、水分不足、性行為、閉経後の体の変化などが関係します。泌尿器科専門医が繰り返す膀胱炎(再発性膀胱炎)の原因と対策を解説します。

【この記事の要約(忙しい方へ)】
・再発性膀胱炎で最も多い原因は、排尿を我慢する・水分摂取が少ないなどの排尿習慣です
・性行為がきっかけとなり、膀胱炎を繰り返す方も少なくありません
・閉経後の女性では、萎縮性膣炎など女性ホルモン低下が関与することがあります
【監修者(簡易版)】
天拝坂こばやしクリニック 院長
小林 知広(日本専門医機構認定 泌尿器科専門医)
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再発性膀胱炎とは、半年に2回以上、または1年に3回以上、膀胱炎を繰り返す状態を指します。
「きちんと治療しているのに、また膀胱炎になる」という場合、薬だけでなく、日常の排尿習慣や体の状態が大きく関係していることが少なくありません。
日本泌尿器科学会の「尿路感染症診療ガイドライン(2015年)」でも、再発性膀胱炎では背景因子や生活習慣の評価が重要とされています。
再発性膀胱炎で最も多い原因:排尿習慣
再発性膀胱炎の患者さんで最も多いのが、
・忙しくておしっこを我慢する
・水分摂取が少なく、尿の量が少ない
といった排尿習慣です。
尿は、膀胱内に侵入した細菌を物理的に洗い流す重要な役割を担っています。
排尿回数が少なく、尿が膀胱内に長時間とどまると、細菌が増殖しやすくなり、膀胱炎を繰り返す原因になります。
性行為がきっかけとなる膀胱炎
膀胱炎は、性行為をきっかけに起こることがあります。
性行為の際に、尿道周囲の細菌が膀胱内に入り込みやすくなるためです。
特に、性行為後に排尿をしない場合や、水分摂取が少ない場合は、再発のリスクが高くなります。
性行為(セックス)後は、できるだけ早く排尿することが重要な予防策です。
閉経後女性に多い原因:萎縮性膣炎
閉経後の女性では、女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、膣や尿道の粘膜が薄くなり、防御機能が低下します。
この状態は萎縮性膣炎、またはGSM(閉経後尿路生殖器症候群)と呼ばれ、膀胱炎を繰り返す大きな原因となります。
この場合、抗菌薬で一時的に改善しても、背景の環境が改善されない限り再発を繰り返すことがあります。
生活指導に加え、必要に応じてホルモン治療や漢方治療を検討することがあります。
抗菌薬の飲み方も重要なポイント
抗菌薬を途中で中断すると、細菌が完全に除去されず、再発や耐性菌の原因になります。
症状が軽くなっても、処方された日数分は必ず内服を継続してください。
再発性膀胱炎を防ぐための重要なポイント
再発予防のために、次の3点が特に重要です。
- 排尿を我慢しない
- 十分な水分摂取で尿量を確保する
- 性行為後は早めに排尿する
よくある質問
Q1.どれくらいの頻度で再発すると受診すべきですか?
A.半年に2回以上、または1年に3回以上繰り返す場合は、原因評価をおすすめします。
Q2.水分はどれくらいとればよいですか?
A.目安としては、1日の尿量が約2リットル程度になるような水分摂取が推奨されます。ただし体格や発汗量、持病などにより適量は異なるため、尿量や尿の色を見ながら調整することが大切です。
Q3.性行為を控えた方がよいですか?
A.必ずしも控える必要はありませんが、性行為後の排尿と十分な水分摂取が予防に有効です。
まとめ・行動判断の目安
膀胱炎を繰り返す場合、
排尿習慣、水分摂取量、性行為との関連、閉経後の体の変化を総合的に評価することが重要です。
「いつもの膀胱炎」と自己判断せず、一度泌尿器科で相談することが、再発予防につながります。
【Web予約(24時間受付)】
【監修者(完全版)】
天拝坂こばやしクリニック 院長
小林 知広(こばやし ともひろ)
【保有資格】
- 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
- 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医
【経歴】
- 2009年 島根大学医学部 卒業/武田病院 初期研修
- 2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科
- 2015年 獨協医科大学越谷病院泌尿器科 助教
- 2017年 京都ルネス病院 泌尿器科・透析科 医長
- 2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長
【受賞歴】
- 2015年 第34回アンドロロジー学会学術大会
臨床部門学会賞 受賞
【患者様へメッセージ】
「恥ずかしい」「相談しにくい」と感じがちな泌尿器のお悩みやEDについて、
専門医が医学的根拠に基づいて丁寧に診療します。
お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
【参考文献】
・日本泌尿器科学会 尿路感染症診療ガイドライン(2015年)
・European Association of Urology Guidelines on Urological Infections 2023
・Foxman B. Recurrent urinary tract infection. Nat Rev Urol. 2010.
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