ハネムーン膀胱炎(性交渉後の膀胱炎)について|泌尿器科専門医が解説

小林知広

監修

小林知広

日本専門医機構認定 泌尿器科専門医

この記事の要約

ハネムーン膀胱炎は、性交渉のあとに起こる膀胱炎のこと
女性に多く、新婚期に限らず誰にでも起こりうる
原因は、物理的な刺激で細菌が尿道へ入り込むこと
性交渉後の排尿・水分摂取などで予防できる
繰り返す場合は予防的な対策も検討できます

この記事を読むべき人:

  • 性交渉のあとに膀胱炎の症状が出やすい方
  • 繰り返す膀胱炎でお悩みの方
  • 排尿時の痛み・頻尿・残尿感がある方
  • パートナーとの関係で悩みを抱えている方
  • 予防法を知りたい方

読了時間: 約7分


監修医師

小林 知広(こばやし ともひろ) 天拝坂こばやしクリニック 院長

保有資格:

  • 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
  • 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医

ハネムーン膀胱炎とは

ハネムーン膀胱炎とは、性交渉のあとに起こる膀胱炎のことです。

新婚旅行(ハネムーン)の時期に起こりやすいことから、この名前がつきました。

ただし、新婚期に限らず、性交渉があれば誰にでも起こりうるものです。

恥ずかしいことではありません

「相談しにくい」と感じる方も多いですが、ハネムーン膀胱炎はとても一般的なものです。多くの女性が経験しています。

お一人で悩まず、気になる症状があれば受診をご検討ください。


なぜ性交渉のあとに膀胱炎になるのか

主な原因

ハネムーン膀胱炎は、いくつかの要因が重なって起こります。

1. 物理的な刺激

性交渉による刺激で、尿道周辺にいる細菌が尿道の奥へと押し上げられることがあります。

2. 細菌の移動

膣や肛門の周辺にいる細菌(主に大腸菌)が、尿道口に入り込みやすくなります。

3. 女性の身体の構造

女性は男性に比べて尿道が短く(約3〜4cm)、尿道口と肛門が近いため、もともと細菌が膀胱に到達しやすい構造になっています。


ハネムーン膀胱炎の症状

通常の膀胱炎と同じ症状が、性交渉のあと(数時間〜翌日ごろ)に現れることが多いです。

主な症状

  • 排尿時の痛み:おしっこをする時にしみる、痛い
  • 頻尿:トイレが近くなる
  • 残尿感:出し切った感じがしない
  • 尿の濁り:白く濁ることがある
  • 血尿:ピンク色・赤色の尿が出ることも

こんな症状はすぐ受診を

以下の症状がある場合は、腎盂腎炎の可能性があります。早めに受診してください。

  • 高熱(38℃以上)
  • わき腹・背中の痛み
  • 悪寒・震え
  • 吐き気・嘔吐

これらは、膀胱炎が腎臓まで広がったサインの可能性があります。


ハネムーン膀胱炎の予防法

繰り返しやすい方は、日常のちょっとした工夫で予防が期待できます。

1. 性交渉のあとは早めに排尿

最も大切な予防法です。

性交渉のあと、できるだけ早めに排尿することで、尿道に入り込んだ細菌を洗い流すことができます。

2. 水分をしっかり摂る

水分を多めに摂ることで、排尿が促され、細菌が膀胱に留まりにくくなります。

3. 清潔を保つ

性交渉の前後にシャワーを浴びる、陰部を清潔に保つなど、基本的なケアが予防につながります。

4. 排便後の拭き方

排便後は前から後ろへ拭くことで、大腸菌が尿道口へ移動するのを防ぎます。

5. 潤滑不足に注意

潤滑が不足していると粘膜への刺激が大きくなります。必要に応じて潤滑ゼリーを使うことも一つの方法です。


ハネムーン膀胱炎の検査と治療

検査

当院では、まず尿検査を行います。

  • 尿検査:トイレで採取するだけで、服を脱ぐ必要はありません
  • 尿培養検査:繰り返す場合などに、原因菌を調べます

治療

膀胱炎の治療は、抗菌薬が基本です。

多くの場合、数日で症状が和らぐことが多いですが、症状が良くなっても処方された日数は飲み切ることが大切です。自己判断で中止すると、再燃や耐性菌の原因になることがあります。


繰り返す場合の対策

何度も繰り返してしまう方には、予防的な対策を検討することもあります。

性交渉後の予防的服用

医師の判断のもとで、性交渉のあとに予防的な抗菌薬治療を行う方法があります。

これは個別の判断が必要なため、繰り返しでお困りの方は一度ご相談ください。

背景に原因が隠れていることも

繰り返す膀胱炎では、背景に原因が隠れていることがあります。必要に応じて、尿培養検査や超音波検査で原因を調べます。


よくある質問(FAQ)

Q1: ハネムーン膀胱炎は新婚の人だけがなるのですか?

A: いいえ。「ハネムーン」という名前がついていますが、新婚期に限らず、性交渉のあとであれば誰にでも起こりうるものです。


Q2: パートナーにうつしてしまうことはありますか?

A: 膀胱炎は、自分の腸内にいる大腸菌などが原因で起こるもので、人から人へうつる病気ではありません。


Q3: 毎回、性交渉のあとに膀胱炎になります。どうすればいいですか?

A: 繰り返す場合は、性交渉後の早めの排尿や水分摂取などの予防法に加え、医師の判断のもとで予防的な対策を検討できます。お気軽にご相談ください。


Q4: 受診するのが恥ずかしいのですが…

A: ハネムーン膀胱炎はとても一般的な症状で、多くの女性が経験しています。検査は尿検査が中心で、服を脱ぐ必要はありません。安心してご相談ください。


Q5: 市販薬で治りますか?

A: 市販薬で一時的に症状が軽くなることはありますが、細菌感染が原因の場合は抗菌薬による治療が標準的です。症状が続く場合は医療機関を受診してください。


Q6: 予防のために避妊具やゼリーは関係ありますか?

A: 潤滑不足は粘膜への刺激を強める要因になります。一部の避妊具や殺精子剤が刺激になることもあるため、繰り返す場合は医師にご相談ください。


まとめ

  • ハネムーン膀胱炎は、性交渉のあとに起こる膀胱炎
  • 女性に多く、新婚期に限らず誰にでも起こりうる
  • 原因は、物理的な刺激で細菌が尿道に入り込むこと
  • 性交渉後の早めの排尿・水分摂取などで予防が期待できる
  • 繰り返す場合は、予防的な対策も検討できる

大切なこと:

  • 恥ずかしいことではありません
  • 我慢せず、早めの受診を
  • 繰り返す場合は予防策の相談を

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お電話でのご予約 092-918-8338

症状を我慢せず、早めにご相談ください。


監修者

天拝坂こばやしクリニック 院長 小林 知広(こばやし ともひろ)

保有資格:

  • 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
  • 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医

経歴:

  • 2009年 島根大学医学部 卒業
  • 2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科
  • 2015年 獨協医科大学越谷病院泌尿器科 助教
  • 2017年 京都ルネス病院 泌尿器科・透析科 医長
  • 2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長

専門分野: 泌尿器科、男性更年期障害、ED治療


参考文献

  1. JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015 ―尿路感染症・男性性器感染症―. 日本化学療法学会・日本感染症学会.
  2. EAU Guidelines on Urological Infections. European Association of Urology.
  3. 日本泌尿器科学会. 尿路感染症診療ガイドライン.

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