【医師解説】ED飲み薬が効かない・飲めない方へ|まだ諦めない!内服以外の3つの治療選択肢を泌尿器科専門医が比較解説
監修
小林知広
日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
ED治療薬が効かない・飲めない方でも諦める必要はありません!
低出力衝撃波治療・陰圧式勃起補助具・陰茎海綿体注射療法など、内服薬以外の3つの選択肢を太宰府市の天拝坂こばやしクリニック院長(泌尿器科専門医)が費用・効果・副作用とともに解説します。

この記事の要約(忙しい方へ)
- ED治療薬(PDE5阻害薬)が効かない・使えない方でも、内服薬以外に医学的に評価された複数の治療選択肢があります
- 衝撃波治療(RENOVA)・陰圧式勃起補助具(ビガー2020)・陰茎海綿体注射の3つが代表的な非内服治療です
- どの治療が適しているかは原因・基礎疾患・生活スタイルによって異なるため、泌尿器科専門医への相談が重要です

【監修者】
天拝坂こばやしクリニック 院長 小林 知広(こばやし ともひろ)
【保有資格】 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医
【経歴】 2009年 島根大学医学部 卒業 / 武田病院 初期研修 2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科 2015年 獨協医科大学越谷病院泌尿器科 助教 2017年 京都ルネス病院 泌尿器科・透析科 医長 2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長
【受賞歴】 2015年 第34回アンドロロジー学会学術大会 臨床部門学会賞 受賞 (論文題:非閉塞性無精子症患者980人におけるAZF遺伝子欠失の頻度とTESEでの精子採取率および精巣病理組織像の検討)
【患者様へメッセージ】 「恥ずかしい」「相談しにくい」と感じがちな泌尿器のお悩みやEDについて、専門医が医学的根拠に基づいて丁寧に診療します。お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
はじめに――「薬を試したけど、もうダメだ」と諦めていませんか?
「バイアグラを飲んだけど思ったほど効かなかった」「心臓の薬を飲んでいてED薬が使えないと言われた」「薬に頼らず、自分の力で改善したい」――太宰府市・筑紫野市・大野城市・春日市・小郡市周辺でも、このようなご事情でご来院される患者さんは少なくありません。
ED治療イコール飲み薬、というイメージを持つ方が多いのですが、実際には内服薬以外にも医学的根拠に基づいた治療選択肢が複数存在します。この記事では、当院で実際に行っている4つの治療を、費用・効果・副作用・どんな方に向いているかの観点から正直にお伝えします。
なぜ内服薬が「効かない」「飲めない」のか
ED治療の第一選択はPDE5阻害薬(内服薬)です。しかしこの薬は「神経や血管がある程度機能していること」を前提とした治療法です。以下のような状況では効果が限定的になったり、使用自体ができないケースがあります。
効きにくくなる主な背景
- 重度の糖尿病・高血圧による血管・神経のダメージ進行
- 前立腺がん手術(ラジカルプロstatectomy)後の神経損傷
- 動脈硬化の進行による海綿体血流の低下
使用できない主な背景
- 硝酸薬(狭心症治療薬)との併用禁忌
- 重篤な心疾患・肝疾患・腎疾患
- 薬剤による副作用(頭痛・顔面紅潮など)が強く継続困難
日本性機能学会・日本泌尿器科学会『ED診療ガイドライン 第3版(2018年)』においても、PDE5阻害薬が第一選択である一方で、無効例・禁忌例が存在することが明記されており、その場合の代替治療の検討が推奨されています。
当院で行う内服薬以外のED治療 一覧
| 治療法 | 特徴 | こんな方に | 費用(税込・当院) | 保険 |
|---|---|---|---|---|
| ①PDE5阻害薬(内服) | 第一選択・即効性あり | 軽〜中等度ED | タダラフィル1,000円/バルデナフィル1,300円(1錠) | なし(自由診療) |
| ②RENOVA衝撃波治療 | 血管を再生・根本改善 | 薬の効果が不十分な方 | 1回 39,800円 | なし(自由診療) |
| ③ビガー2020(陰圧式) | 神経機能不要・手術後も可 | 薬が禁忌・神経障害例 | 98,000円(機器本体) | なし(自由診療) |
| ④陰茎海綿体注射 | 即効性・神経依存なし | 重度ED・薬無効例 | 1本 5,500円 | なし(自由診療) |
重要事項: 上記はすべて**健康保険適用外(自由診療)**です。費用は全額自己負担となります。
①PDE5阻害薬(内服薬)――まず基準として知っておく
内服薬以外の治療を理解するための基準として、まず内服薬の特徴を整理します。
当院取扱い薬剤(ジェネリックのみ)
- タダラフィル(シアリス後発品):1錠 1,000円・作用約36時間
- バルデナフィル(レビトラ後発品):1錠 1,300円・作用約4〜6時間
- ※シルデナフィル(バイアグラ系):当院取り扱いなし
限界と注意点
- 硝酸薬との併用は禁忌(重篤な血圧低下)
- 重度の血管・神経障害では効果が限定的
- 効果に個人差があります
②RENOVA低出力体外衝撃波治療――血管そのものを再生する
RENOVAとは
RENOVAは、イスラエルのDirex社が開発したED専用の低出力体外衝撃波治療器です。陰茎に特殊な衝撃波を照射することで、血管新生(新しい血管をつくる)を促し、勃起機能の根本的な改善を目指します。内服薬のように「一時的に血流を増やす」のではなく、「血管自体を修復・再生する」アプローチが最大の特徴です。
詳細解説コラム:ED薬に頼りたくない貴方へ。血管を再生し「雄大な勃起力」を呼び覚ますRENOVA衝撃波 https://tenkoba.clinic/column/518/
どんな方に向いているか
- 内服薬の効果が不十分になってきた方
- 糖尿病・高血圧による血管ダメージが気になる方
- 薬なしで自然な勃起を取り戻したい方
- 内服薬との併用でさらなる改善を目指したい方
治療の流れと費用
- 治療時間:1回あたり約15〜20分
- 標準コース:週1回×4回(詳細は診察時にご確認ください)
- 費用:1回 39,800円(税込・自由診療)
医学的根拠
European Association of Urology(EAU)Guidelines on Sexual and Reproductive Health では、血管性EDに対する低出力体外衝撃波療法(LI-ESWT)が治療選択肢として位置づけられています。また、Clavijo et al.(J Sex Med, 2017、PubMed PMID: 27986492)によるシステマティックレビュー・メタ解析では、偽治療群と比較してIIEF-EFスコアの統計学的有意な改善が報告されています。
副作用・リスク
- 痛みはほとんどありません(低出力のため)
- 切開・注射・麻酔不要
- 神経の損傷が重篤な場合は効果が限定的になることがあります
- 全員に同等の効果が得られるわけではありません

③ビガー2020(陰圧式勃起補助具)――神経・血管機能に依存しない
ビガー2020とは
ビガー2020は、PMDAの審査を経て承認された**管理医療機器(クラスII・承認番号:30300BZX00279000)**です。陰茎をシリンダーに収め、陰圧(真空状態)をつくることで物理的に血液を流入させ、勃起を補助する器具です。市販の未承認器具やアダルトグッズとは医学的な位置づけが根本的に異なります。
詳細解説コラム: https://tenkoba.clinic/column/900/
最大の特徴:神経・血管機能が低下していても使用可能
PDE5阻害薬は神経や血管の機能を前提としますが、ビガー2020は物理的な陰圧で血流を誘導するため、前立腺全摘術後や重度の神経障害がある方でも使用が可能です。AUA・EAUのガイドラインでも、薬物療法が使えない場合の代替治療として位置づけられています。
陰茎リハビリテーションとしての効果
EDが長期間続くと海綿体が低酸素状態になり、組織の線維化が進行して「さらに勃起しにくくなる悪循環」に陥ります。ビガー2020を定期的に使用することで海綿体への酸素供給・組織の柔軟性維持が期待でき、海外では「Penile Rehabilitation(陰茎リハビリテーション)」として知られる治療概念です。
臨床データ
順天堂大学等による日本人ED患者を対象とした研究では、93.33%で勃起硬度(EHS)が改善し、62.50%が性交可能レベル(EHS≧3)に到達、IIEFスコアも統計学的に有意な改善(p<0.01)が報告されています。これはすべての方に同様の結果が得られることを保証するものではありません。
費用と注意事項
- 費用:98,000円(税込・機器本体・自由診療)
- 使用方法・使用時間については必ず医師の指導に従ってください
- 出血性疾患がある方は使用前に必ず医師にご相談ください
- 一時的な軽度の痛み・点状出血・冷感が生じることがあります

④陰茎海綿体注射(ICI療法)――最も直接的・即効性の高い治療
ICI療法とは
陰茎海綿体注射(Intracavernosal Injection:ICI)は、プロスタグランジンE1などの血管拡張薬を陰茎の海綿体に直接注射することで、神経経路を介さずに勃起を誘発する治療です。内服薬が無効な重度EDや、神経機能が低下しているケースでも効果が期待できます。
どんな方に向いているか
- 内服薬が無効または使用禁忌の方
- 前立腺がん手術後などで神経障害がある方
- 即効性・確実性を重視する方
費用と治療の実際
- 費用:1本 5,500円(税込・自由診療)
- 効果発現:注射後約5〜15分
- 持続時間:個人差があります(通常30分〜1時間程度)
- 当院では医師が適切な用量を調整します
副作用・リスク(必読)
- 陰茎持続勃起症(priapism): 勃起が4時間以上持続する場合は緊急受診が必要です
- 注射部位の痛み・内出血
- 長期使用による海綿体線維化(ごくまれ)
- 自己注射への移行が可能な場合もありますが、必ず医師の指導のもとで実施してください
- すべての方に同等の効果が得られるわけではありません
- 過去に陰茎の外傷・手術歴がある方は事前にご相談ください
医学的根拠
Burnett AL et al., AUA Guideline(J Urol. 2018;200(3):633-641、PubMed PMID: 29746858)では、PDE5阻害薬が無効または禁忌の場合の代替治療として陰茎海綿体注射が推奨されています。

4つの治療法 詳細比較表
| 項目 | RENOVA衝撃波 | ビガー2020 | 陰茎海綿体注射 | 内服薬 |
|---|---|---|---|---|
| 即効性 | なし(数週間後) | あり(毎回) | あり(15分以内) | あり(30〜60分) |
| 根本改善 | 期待できる | リハビリ効果 | なし(その都度) | なし(その都度) |
| 神経依存 | 一部あり | なし | なし | あり |
| 侵襲性 | なし | なし | あり(注射) | なし |
| 費用 | 1回39,800円 | 98,000円(本体) | 1本5,500円 | 1,000〜1,300円/錠 |
| 硝酸薬併用 | 制限なし | 制限なし | 要確認 | 禁忌 |
※効果・適応は個人の状態によって大きく異なります。必ず専門医の診察をお受けください。
どの治療を選ぶべきか――専門医の視点から
治療選択は「どれが最も優れているか」ではなく、「その方の状態・原因・生活スタイルに何が合うか」で決まります。当院では以下の流れで検討しています。
Step 1:原因の評価 血管性・神経性・ホルモン性・心理性・薬剤性のどれが主体かを問診・検査で確認します。
Step 2:基礎疾患・服用薬の確認 硝酸薬の有無・心疾患の程度・糖尿病のコントロール状態などを確認します。
Step 3:治療方針の相談 患者さんのご希望(自然な改善を目指したい・即効性が必要・コストを抑えたいなど)を踏まえて、医学的に妥当な選択肢を一緒に整理します。
集学的ED治療についての詳細コラム: https://tenkoba.clinic/column/937/


よくあるご質問(Q&A)
Q1. 内服薬を一度も試していませんが、いきなり衝撃波や注射を受けられますか?
まず内服薬の適応を確認します。禁忌がなければ内服薬からご提案するのが一般的です。ただし、ご希望や事情に応じて柔軟に対応します。
Q2. RENOVAとビガー2020は併用できますか?
可能です。診察時にご相談ください。
Q3. 陰茎海綿体注射は痛いですか? 針は細く、局所的な痛みはありますが多くの方が許容できる範囲とおっしゃいます。ただし個人差があります。
Q4. 前立腺がん手術後でも治療を受けられますか? はい。神経機能に依存しないビガー2020・陰茎海綿体注射は前立腺癌の術後でも検討できます。術式・術後経過を診察時にお伝えください。
Q5. 太宰府市から受診できますか?駐車場はありますか? はい。天拝坂こばやしクリニックは太宰府市にあり、筑紫野市・大野城市・春日市・小郡市からもお車でご来院いただけます。駐車場を完備しています。
Q6. 費用はすべて自費ですか? はい。ED治療はすべて健康保険適用外(自由診療)です。費用は全額自己負担となります。

まとめ
内服薬が効かない・飲めない・飲みたくないという理由でED治療を諦めている方に、ぜひ知っていただきたいことがあります。治療の選択肢は一つではありません。
衝撃波で血管を再生するRENOVA、神経機能を必要としないビガー2020、即効性の高い陰茎海綿体注射——それぞれに適した方が異なり、組み合わせることで相乗効果が期待できる場合もあります。
天拝坂こばやしクリニックでは、泌尿器科専門医として「あなたに合う治療は何か」を一緒に考えます。「どうせ無理だろう」と思う前に、一度ご相談ください。
▶ Web予約はこちら(24時間受付) https://patient.digikar-smart.jp/institutions/a356aa2e-6198-4d7f-9416-0731c1996e97/reserve

監修者情報(完全版)
天拝坂こばやしクリニック 院長 小林 知広(こばやし ともひろ)
【保有資格】 日本専門医機構認定 泌尿器科専門医 日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医
【経歴】 2009年 島根大学医学部 卒業 / 武田病院 初期研修 2011年 JR大阪鉄道病院 泌尿器科 2015年 獨協医科大学越谷病院泌尿器科 助教 2017年 京都ルネス病院 泌尿器科・透析科 医長 2024年 天拝坂こばやしクリニック 院長
【受賞歴】 2015年 第34回アンドロロジー学会学術大会 臨床部門学会賞 受賞 (論文題:非閉塞性無精子症患者980人におけるAZF遺伝子欠失の頻度とTESEでの精子採取率および精巣病理組織像の検討)
【患者様へメッセージ】 「恥ずかしい」「相談しにくい」と感じがちな泌尿器のお悩みやEDについて、専門医が医学的根拠に基づいて丁寧に診療します。お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
参考文献
1. 日本ガイドライン 日本性機能学会・日本泌尿器科学会『ED診療ガイドライン 第3版』(2018年) Mindsガイドラインライブラリ:https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0131/G0001077 日本性機能学会公式:https://www.jssm.info/guideline/3rd.html ※2025年版『男性性機能障害診療ガイドライン』も発行済み。公開前にご確認ください。
2. AUA Guideline Burnett AL, Nehra A, Breau RH, et al. Erectile Dysfunction: AUA Guideline. J Urol. 2018;200(3):633-641. PubMed PMID: 29746858 AUA公式:https://www.auanet.org/guidelines/guidelines/erectile-dysfunction-(ed)-guideline DOI:https://doi.org/10.1016/j.juro.2018.05.004
3. EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health European Association of Urology(最新版) https://uroweb.org/guidelines/sexual-and-reproductive-health
4. Clavijo RI, Kohn TP, Kohn JR, Ramasamy R. Effects of Low-Intensity Extracorporeal Shockwave Therapy on Erectile Dysfunction: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Sex Med. 2017;14(1):27-35. PubMed PMID: 27986492 DOI:https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2016.11.001 PubMed直リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27986492/
5. Raina R, et al. Early use of vacuum erection device following radical prostatectomy. Int J Impot Res. 2006;18(1):103-107. PubMed PMID: 15175630 DOI:https://doi.org/10.1038/sj.ijir.3901194
6. ✅ NEW Wang R, Martins FE, Ralph D, et al. Vacuum erectile devices for erectile dysfunction: recommendations from the 5th international consultation on sexual medicine. Sex Med Rev. 2025;13(2):172-183. PubMed PMID: 39957431 DOI:https://doi.org/10.1093/sxmrev/qeaf002 PubMed直リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39957431/
7. ✅ NEW The Early Use of Vacuum Therapy for Penile Rehabilitation After Radical Prostatectomy: Systematic Review and Meta-Analysis. PubMed PMID: 30182794 PMC全文:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6199422/ PubMed直リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30182794/